超高機能チャートツールであるTradingView(トレーディングビュー)に内蔵されてある「出来高プロファイル」について設定方法やおすすめの使い方など詳しく解説します。
このインジケーターは有料プランでしか使えませんが、それでも使う価値の高いものなので是非ご参考ください。
出来高プロファイルとは
TradingViewに搭載された「出来高プロファイル」とは、価格帯毎の出来高を表示させることができるインジケーターです。
出来高の多い価格帯がチャート上に表示できることによって、サポート・レジスタンスとなりそうな価格帯を簡単に把握できるようになる非常に優秀なインジケーターです。
出来高プロファイルを使いこなせば「市場に意識されている価格帯」を把握することができるってことだ。
出来高プロファイルの表示方法
出来高プロファイルの見方
こちらでは基本的な出来高プロファイルの見方について解説します。
ポイントオブコントロール(POC)
ポイントオブコントロール(POC)は該当の期間内で最も取引量の多い価格レベルになります。
右側のヒストグラムは価格帯別の出来高を表したものです。
黄色が売り比率、青が買い比率です。
バリューエリア(VA)
バリューエリア(VA)とは該当の期間の全出来高の内、指定したパーセンテージが取引された価格レベルの範囲を表示します。デフォルトでは70%に設定されており、上下(青ライン)のバリューエリア範囲内が最も出来高の多い価格帯になります。
バリューエリア(VA)を超えて動いた場合、一方向に動いていく可能性が高まります。
VA内は取引量の多い価格帯だから、一度抜けると大きな値動きを作りやすいんだ。
出来高プロファイルの種類
出来高プロファイルには以下の5種類ありますが、それぞれの特徴を解説します。
・セッション出来高プロファイル(SVP / SVP HD)
・可視範囲出来高プロファイル(VRVP)
・周期的出来高プロファイル(PVP)
・固定期間出来高プロファイル
・オートアンカー出来高プロファイル(AAVP)
セッション出来高プロファイル(SVP / SVP HD)
セッション出来高プロファイル(SVP / SVP HD) は1日単位の出来高を表示します。
相場は直近の動きに影響されやすいため、前日の出来高の多かった価格水準などを把握するのに便利です。
SVPとSVP HDは基本的には同じですが、SVP HDではチャートを拡大縮小させたときにヒストグラムが自動で価格レベルに合わせて調整してくれるため正確性が高いです。
セッション出来高プロファイル(SVP / SPV HD)の設定方法
基本的にはデフォルト設定で問題ないでしょう。
お好みでバリューエリア(VA)を表示させてもいいと思います。
セッション出来高プロファイル(SVP / SPV HD)のおすすめの使い方
1日単位の出来高を表示するインジケーターなので、前日の最も出来高の多い価格水準を把握しておきます。
出来高の多い価格帯はサポート・レジスタンスになりやすいので、市場に意識されている価格帯として利確や損切りの目安にしたり、抜けたときは一方向にレートが伸びやすい傾向があります。
可視範囲出来高プロファイル(VRVP)
可視範囲出来高プロファイル(VRVP)はチャート画面に表示されている全ての時間帯の出来高を表示します。
チャート上の全ての出来高を把握できるため、全体的に意識されている価格帯と値動きを見て、状況を判断しやすい特徴があります。
可視範囲出来高プロファイル(VRVP)の設定方法
デフォルトだと出来高を表示する棒グラフの幅が広いため、「パラメーター」の「行のサイズ」を150〜200に変更するとより正確な表示にできるのでおすすめです。
可視範囲出来高プロファイル(VRVP)のおすすめの使い方
最低でも4時間足以上でなるべく長い時間軸を表示させ、意識されている価格帯を把握しながら対局的に見ます。
上のチャート図は、日足でチャートを縮小させて数ヶ月分の出来高を表示させています。
数ヶ月分の中で最も多い出来高なんて!!
これはとっても強いサポート・レジスタンスとして機能しそう!
周期的出来高プロファイル(PVP)
周期的出来高プロファイル(PVP)は指定した期間を過去分も含めて出来高を表示します。
周期的出来高プロファイル(PVP)の設定方法
パラメーターから出来高を表示させたい「期間」と「単位(バー・日・週・月)」を指定します。
例1) 「期間:1」「単位:週」に設定した場合。
一週間ごとのサイクルで出来高を表示させます。
例2) 「期間:2」「単位:日」に設定した場合。
二日毎のサイクルで出来高を表示させます。
例3) 「期間:100」「単位:バー」に設定した場合。
100本分のローソク足をサイクルに出来高を表示させます。
周期的出来高プロファイル(PVP)のおすすめの使い方
こちらは5分足を軸にトレードしている方限定の設定方法になります。
こちらの設定にすると東京時間・ロンドン時間・ニューヨーク時間と3つのセッションに分けて、それぞれの出来高を表示させることができます。
各市場ごとに出来高を把握できるのはデイトレーダーにとっては大きな武器になるはずだ。
固定期間出来高プロファイル
固定期間出来高はチャート上で任意の範囲を指定して出来高を表示させます。
固定期間出来高プロファイルの設定方法
チャート上で「①任意の場所をクリック→②出来高を表示させたい範囲までドラッグ→③クリック」で表示させることができます。
固定期間出来高プロファイルのおすすめの使い方
レンジ相場の範囲を指定して出来高を表示させる。
レンジ相場の中で最も多い出来高を軸として、どちらの方向に優位性があるのか判断します。
なるべく長い時間軸のレンジ相場がいいだろう。
ただ単純に「POCの上だからロングだ!」なんてトレードしてたら振り回されてしまうから気をつけよう。少々上級者向けかもしれない。
オートアンカー出来高プロファイル(AAVP)
オートアンカー出来高プロファイル(AAVP)は自動的に選択されたポイントから現在のチャートまでの出来高プロファイルを表示します。
新しい期間に達すると前のプロファイルは削除され、新しい出来高プロファイルが作成されます。
オートアンカー出来高プロファイル(AAVP)の設定方法
パラメーターから「ベース期間」と「期間」を指定します。
「期間」は指定された直近のローソク足の数内で「Highest High(最高値)」「Lowest Low(最安値)」「Highest Volume(最大出来高)」を探し、そこを起点に出来高プロファイルを構築します。
その後に新しい条件を満たすローソク足が発生した場合は、新たなプロファイルが配置されます。
例1) 「ベース期間:週」
その週の月曜日から金曜日までの出来高を表示させます。
例2) 「ベース期間:Highest Volume(最大出来高)」「期間:200」
直近ローソク足200本の中から最も出来高の多いローソク足を探し、そこから出来高プロファイルを構築します。
オートアンカー出来高プロファイル(AAVP)のおすすめの使い方
過去30日に付けた最高値から現在までの最も多い出来高を起点に出来高プロファイルを構築する。※下落トレンド時に利用。
目的としては、新たに更新されていくプロファイルからトレンド圧力やトレンド転換する価格水準を計るために利用します。
ここから更に出来高の多いプロファイルが作成され上方向に動くなら上昇転換の可能性が…とか分析したりもできるが、少し使いこなすの難しいかもしれないな。
まとめ
今回はTradingView(トレーディングビュー)に搭載された超優秀なインジケーター「出来高プロファイル」についての解説をしてみました。
「出来高プロファイル」は有料プランのみですが、それでもお金を払う価値があるほどの高機能だと思います。
特にまだサポート・レジスタンスを把握できない初心者さんなどはかなり強い味方になるでしょう。
TradingViewは無料お試しもできるので是非一度触ってみることをオススメします。
TradingViewが搭載するインジケーターの中でも一番と言ってもいいくらい出来高プロファイルは優秀だ。まずは触れてみることだ。