トレードするには相場分析が重要となりますが、残念ながらインジケーターばかりに頼ってトレードしている初心者トレーダーさんをよく見かけます。しかし、どんなに優れたインジケーターよりも、ローソク足は最も多くの情報を読み取ることができる最大の武器であることを忘れてはいけません。
トレーダーを目指す方であれば必ずローソク足を読み解く力を身に付けるべきでしょう。
今回はそのローソク足の基礎を解説していきます。
ローソク足とは
ローソク足は江戸時代に日本で生まれた伝統あるチャートです。
大阪・堂島の米の先物相場で値動きを調べるためにローソク足が発案され、その相場をもとに現代にも通じるチャート分析も考えられました。
数百年前に発案されたローソク足ですが、そのローソク足の読み方や相場分析が現代でも変わらず通用されていることに信じられないと思う方も多いかもしれません。確かに現代の相場では取引量や銘柄も増えており、インターネットによって取引方法や取引時間も大きく変わりました。しかし、どんなにシステムが変わったとしても実際に取引しているのは人間です。
古来より、相場には欲望や恐怖がうごめいており、その人間の心理と行動がチャートに映し出されていますが、それは現代においても変わりません。つまりトレンド形成やトレンド転換、レンジ相場など様々な場面が相場にはありますが、必ず同じようなローソク足を形成しており、だからこそ現代でもローソク足は通用しています。
数百年前に発案されたローソク足ですが、それは現代になっても本質は変わっておらず、今では世界中で使われている代表的なチャートの一つとなっています。
ローソク足の見方
ローソク足には5分足・30分足・1時間足などの単位期間を定め、全ての期間のローソク足には四本値と呼ばれる始値(はじめね)・終値(おわりね)・高値(たかね)・安値(やすね)の価格情報があります。
ローソク足の代表的な単位期間
1分足 / 5分足 / 15分足 / 30分足 / 1時間足 / 4時間足 / 日足 / 週足 / 月足
ローソク足から読み取れる四本値の情報
- 始値(はじめね)–単位期間の最初についた価格
- 終値(おわりね)–単位期間の最後についた価格
- 高値(たかね)—–単位期間中についた最も高い価格
- 安値(やすね)—–単位期間中についた最も安い価格

ローソク足には陽線(ようせん)と陰線(いんせん)の2種類がありますが、それは始値と終値の位置関係によって変わってきます。例えば下図のように単位期間内で終値が始値よりも高い価格帯で終わった場合は陽線になります。

今度は逆に単位期間内で終値が始値よりも低い価格帯で終わった場合は陰線になります。

ローソク足のひげや実体
ローソク足は実体の大きさやひげの長さも重要であり、四本値と合わせて上昇と下降どちらが強いかなど、様々な角度から分析をしていきます。



ローソク足のひげの長さや実体の大きさは分析する上では非常に重要だ
多くのサインが隠れているから見逃すな
代表的なローソク足
下記は代表的なローソク足をまとめたものになります。
実際の相場では特徴に書かれてある通り必ずなるわけではありませんが、あくまでそのような傾向があるということで参考にしていただければと思います。
ローソク足 | 名称 | 俗称 | 特徴 |
![]() ![]() | 大陽線 | 陽の丸坊主 | 上昇継続で強気のサイン |
![]() ![]() | 大陽線 | 陽の大引け坊主 | 上昇継続で強気のサイン |
![]() ![]() | 大陽線 | 陽の寄付き坊主 | 強気のサインだが上ひげを付けているので高値圏では要注意 |
![]() ![]() | 小陽線 | 上昇継続 | |
![]() ![]() | 小陽線 | 陽のコマ | 上昇に迷いがあるサイン |
![]() ![]() | 下影陽線 | 上昇継続・底堅い | |
![]() ![]() | 下影陽線 | 陽のカラカサ | 上昇継続だが高値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 上影陽線 | 上昇継続だが上値が重くなってきている | |
![]() ![]() | 上影陽線 | 陽のトンカチ | 上値が重い・安値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 大陰線 | 陰の丸坊主 | 下降継続で弱気のサイン |
![]() ![]() | 大陰線 | 陰の大引け坊主 | 下降継続だが下ひげを付けているので安値圏では要注意 |
![]() ![]() | 大陰線 | 陰の寄付き坊主 | 下降継続の弱気のサイン |
![]() ![]() | 小陽線 | 下降継続 | |
![]() ![]() | 小陽線 | 陰のコマ | 下降に迷いがあるサイン |
![]() ![]() | 下影陰線 | 下降継続だが底堅くなってきた | |
![]() ![]() | 下影陰線 | 陰のカラカサ | 底堅い展開・安値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 上影陰線 | 下降継続・上値が重い | |
![]() ![]() | 上影陰線 | 陰のトンカチ | 下降継続だが高値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 寄引同時線 | トンボ | 強い買い戻しが入り売りと買いが拮抗している 安値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 寄引同時線 | トウバ | 強い売り圧力に押し戻され売りと買いが拮抗している 高値圏では反転注意 |
![]() ![]() | 寄引同時線 | 足長同時線 | 売りと買いが拮抗して迷いが続くサイン 転換も注意 |
![]() ![]() | 寄引同時線 | 十字線 | 売りと買いが拮抗している 転換も注意 |
![]() ![]() | 寄引同時線 | 一本線 | 薄商い相場 |
まとめ
今回はローソク足の基本中の基本をまとめて解説しました。
当たり前のことのようですが、それでも実際のところローソク足についてあまり分からない方も多くいるので、もし不安な方はこの機会に初心に戻って学び直すのもいいのかなと思います。
今後はローソク足についてもっと深掘っていくつもりです。



冒頭で「相場を読み解く」とは書いてあるが、実際には完全に相場を読み解くことはできない。俺たちは神様じゃないからな。
しかし値動きにはある一定の「傾向」がある。俺たちは分析してその「傾向」を感じ取って波に乗るんだ。