ローソク足辞典|大陽線・大陰線について徹底解説

ここではローソク足の中で最も重要とも言える大陽線・大陰線について独自の解釈で解説します。

目次

大陽線・大陰線とは

明確な基準はありませんが、直近ローソク足の3~5倍以上の大きいローソク足が出現した場合を大陽線・大陰線として表しており、一般的には上昇(または下降)継続の強気サインとして知られています。

解釈としては「強気サイン」で間違いないのですが、しかし僕の場合は少しだけ見方が違います。それは、大陽線・大陰線を見つけたら真っ先に思うことは「大量の資金が流れてきたなぁ」です。

大陽線・大陰線の本質

大陽線・大陰線を見て「大量の資金が流れてきたなぁ」という風に考えるようになってから、僕は少しだけ相場の見方が変わり、それが今でもトレードするにあたって役に立っているので解説しますね。

まず外国為替市場の1日の取引高は約5〜6兆ドルにもなり、その全体の約88%は米ドルが占めています。
1日に約5〜6兆ドルって莫大な資金ですよね。これほどの量の資金が流れている外国為替市場で、一本のローソク足を形成するのにどれほどの資金量が流れているのでしょうか。
僕も詳しくは分かりませんが、相当な資金量が流れていることは想像できます。
そしてこれほど莫大な資金が流入して大陽線・大陰線を形成するきっかけはおおよそ2つのパターンに分けられます。
それは「市場参加者の心理と行動が一致」「大口の介入」です。

大口とは「投資顧問会社」「損害保険会社」「信託銀行」「投資信託会社」「年金基金」「ヘッジファンド」などが代表例となります。運用資産の規模が大きいので市場に影響を与える時もあります。


しかし実際のところは「市場参加者の心理と行動が一致」でも「大口の介入」でもどちらでもよく、一番大事なのは「大量に資金が流入した」という事実です。なぜならそこに何かしらの意図がなければ大きなお金は流れてこないからです。

つまり「大陽線・大陰線が形成された=大量に資金が流入した」ということは、それをきっかけに相場の流れが大きく変わる可能性があることを示唆します。

※大陽線・大陰線を形成したからと言って必ずしも大量に資金が流入しているとは言いきれません。例えば流動性が低い相場では値が飛んで形成されることもあります。

投資家A

少なくとも1時間足以上の大陽線・大陰線を重要視するべきだ
また外国為替市場全体の約88%は米ドルが占めているから、ドル円などのドルストレートの方が信頼性が高いだろう

大陽線・大陰線を形成したら次に考える行動

大陽線・大陰線を形成した場合、相場の流れが大きく変わる可能性があると話しましたが、具体的にどのようなことが起こりえるのか?相場状況に合わせて3つのシナリオに分けて考えます。

シナリオ1ーこれからトレンドが発生するのか?

これは主にレンジ相場の中で大陽線・大陰線が形成されるケースが多いのかなと思います。
これまではずっと方向感のないレンジ相場を形成していたけど、突然ブレイクするように大陽線・大陰線が出現してその後トレンドを形成するパターンですね。
過去の相場を検証すると分かるのですが、トレンドを作る直前というのは大量の資金が流れてくるので大陽線・大陰線を形成してくることが非常に多いです。

例えば下図は1時間足チャートですが、レンジ相場が続いた後に大陽線を形成して上昇していっています。

同じく1時間足のチャートですが、大陽線を形成しましたが失敗したケースです。
大陽線を形成したからといって必ずトレンドを形成するわけではなく、まずは環境認識しっかり把握することが重要です。

投資家A

しっかりとレンジ相場を形成した後に大陽線・大陰線が出現したときはトレンド形成の期待がかなり高まるんだ。まずは最低でも1時間足以上に絞るといいだろう。

シナリオ2ートレンドが継続するのか?

これは主にトレンド中に大陽線・大陰線が形成してトレンドを継続させてくるケースですね。
すでにトレンドが出来上がっているのでなかなか仕掛けにくい相場ではあります。

下図の1時間足チャートは下落トレンド中に大陰線を形成して更に続落させていった相場です。

投資家A

どんなに強いトレンドでも一度は途中レンジ相場になることが多い。
そのレンジ相場からトレンド方向に大陽線・大陰線を形成させてくるならトレンド継続の優位性は高まるだろう。
あとはやはり環境認識だな。

シナリオ3ートレンドが終了するのかな?

こちらもトレンド中に大陽線・大陰線を形成してくるケースですが、トレンドというのはトレンド終了間際に大きく伸ばしてくることがあります。まさにこのシナリオ3がそのタイプで、ここから伸びていくと思って仕掛けたらすぐに反発されて損切りを食らうという、初心者の頃によくやってしまいがちな相場ですね。

例えば下図の1時間足チャートでは強い下落圧力で落としてきているなか、更に大きな大陰線を形成してきたので続落するのかと思ったらピタリと下落が止まった相場です。

投資家A

このパターンはたくさんトレードをしていると小さな時間足から大きな時間足までよく遭遇するが、これはもう環境認識を鍛えるしかないだろう。
水平線などしっかり引いていれば大きなミスは減らせるはずだ。

まとめ

今回は大陽線・大陰線について解説してみました。
相場状況に合わせて主に3つのシナリオを紹介しましたが、どれも大事なのですが、特にトレンドの初動となる「シナリオ1」はしっかり頭に叩き込んでおきましょう。

新しいトレンドが生まれる時というのはローソク足に何かしらのサインが出ることがほとんどです。
特にそのサインは大陽線・大陰線であることが非常に多いんです(特に大陽線)。

僕たちのような個人投資家の仕事は「いち早く大きな波を見つけてその波に乗ること」です。
大陽線・大陰線はそのような大きな波を作る初動となる可能性の高い最も重要なローソク足と言えます。

・大陽線・大陰線には大量に資金が流入して形成している可能性がある。
・大量に資金が流入した場合、それをきっかけに相場の流れが大きく変わる可能性が高まる。




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