次期日銀総裁人事に世界が注目、予想される金融市場の反応は

現副総裁の雨宮正佳氏が選ばれれば円安につながり、中曽宏前副総裁なら円高との見立てが多い。山口広秀氏などサプライズ人事となれば、超金融緩和政策の早期終了期待が一気に高まり、大幅な円高や世界的な債券利回りの上昇につながる可能性がある。

以下は各候補者が指名された場合に予想される市場の反応となる。

雨宮正佳氏
雨宮氏は黒田総裁の後任として有力視されており、一部の市場関係者は同氏が指名される確率を40-50%と読む。同氏を黒田緩和の継承者と見なすのは不当かもしれないが、初期反応は円下落、日本株は大幅高となる可能性が高い。

中曽宏氏
中曽氏は雨宮氏よりややタカ派とみられているが、トレーダーらは総裁交代による日銀のスタンス変化をすでに予想しているため、株式や債券のボラティリティーはより抑制されそうだ。それでも同氏が指名されれば、日銀が10年債利回りを金利操作の対象とすることを止めるかもしれないとみて、ドル・円は2円程度下落する可能性があると、スペクトラのドネリー氏は予想する。 

山口広秀氏
有力候補者の中で最もタカ派とされる山口氏が選ばれた場合、政府が日銀の明確な政策転換を求めているという最強のシグナルとなり、市場に最も大きなボラティリティーをもたらすことになるだろう。シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは、円は1ドル=127円に向けて上昇する可能性があると指摘。 みずほ証の大森氏は、日本株は1%程度下落する可能性があり、外国人は日銀の長期金利の上限を試しに勢いづくかもしれないとみている。


ストラテジストらによると、コロンビア大学教授の伊藤隆敏氏や浅川雅嗣アジア開発銀行(ADB)総裁、日本総合研究所理事長の翁百合氏といった他の候補者が次期総裁に選ばれる可能性は低いそうだ。

下記Bloomberg記事より切り抜き

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