3/1〜3/5 ドル円 週間トレード戦略|今は楽観相場? / 重要な3本の水平線

目次

トレード戦略

前回のトレード戦略の振り返り

4時間足

※青の縦点線は週初め(22日)になります。

前回のトレード戦略では主に以下のような話をしました。

・チャネルライン上限を3度目となる反発する動きから上値の重い展開を作っている。
・チャネルラインを下抜いてくる可能性がある。
・上昇してくるようなら短期的なショートを狙うのは優位性が高い。
・下落してきた場合は緑ゾーン〜黄色ラインより短期的なロングは優位性が高い。
・本格的な上値の重い展開を作るまではロングを軸に戦っていく。

実際には、今週初めは一度上昇してくる動きを作ったものの、思惑通り下落に転じ、そして緑ゾーン近辺から反発して上昇していきます。しかし、ここからが予想よりも強い圧力を持って上昇していきました。

自分の予測では、「強い節目となる赤ラインは超えることができず、一旦はチャネルラインを下抜いていく可能性がある」とみていましたが、赤ライン近辺では反発するも何度も上を試す動きを作ってきます。
僕はこの時にtwitterで以下のように呟いています。

この相場でショートは危険

なぜ強い節目となる価格水準なのに「ショートは危険」と判断したのか。
オレンジ枠内を1時間足にして拡大して見てみましょう。

1時間足

1時間足で拡大してみると、強い節目となる赤ライン近辺で高値と安値を切り上げながら3回ほど反発させたのちに上抜けて続伸させています。

抵抗の強い価格水準では通常このような値動きを作ってくることはあまりありません。
逆にいえば、抵抗の強い価格水準でもこのような値動きを作ってきたということは、相当上昇圧力が強いということでもあるため、上抜けていくことが比較的多い傾向にあります。

よく「相場は生き物」だと言われますが、まさにその通りで、どんなに強い抵抗帯と言われるところだとしても、実際にその時の値動きによって環境はガラッと変わります。
水平線やトレンドライン、移動平均線などを目安にトレードするのは悪いことではないですが、最終的には自分の目でローソク足の動きを見て確認するのが一番大事なことだと思います。

それでは来週のトレード戦略を始めましょう。

来週のトレード戦略

月足

見やすいように描画は一部を除いて消しておきます。

来週から3月ということで月足から見ていきましょう。
2月は陽線を確定させましたね(白矢印)。

2ヶ月連続で陽線を形成させて、かなり力強い印象です。
しかし、このまま上昇し続けるのかは少々疑問なところもあります。

その理由は、ここ数年は3ヶ月連続で陽線を確定させたことはなく、3ヶ月目には必ず大きな調整が入っているからです。
そして月足レベルでは直近に強い抵抗帯であるレッドゾーンもあります。

つまり、仮にこのまま続伸させたとしてもレッドゾーン付近で大きな反発する値動きを作ってくる可能性がありそうです。
ここから分かることは「月足レベルではすでに上値の重い水準に近づいている」ということは認識しておきましょう。

週足

週足では大きく続伸して大陽線を確定(白矢印)。
ある程度強い節目として機能する赤ライン(106.085)を上抜いてブルーゾーンに到達させてきました。

ブルーゾーンは、意識ゾーンの中では一番弱いゾーンではありますが、それでもかなり強い抵抗帯として機能することが多いです。つまりここからは調整相場に入る可能性もあります。

とはいえ、これほどの強い値動き。
基本的にはまだ効率の良いロングを軸に戦っていった方がいいと思います。

日足

※仮の緑ゾーンはしばらく使うことがなさそうなので消しておきました。

日足レベルで1ヶ月以上に渡ってチャネル内を推移していますね。
個人的な経験としては、このようなチャネルを形成している時に意識ゾーンを抜けていくとこは滅多にありません。
なので、本来であれば「ここから落としていく可能性が高い」と言いたいところなのですが、現在のこの非常に強い上昇圧力を見る限り「なんとも言えない」のが正直なところです。

仮にショートを仕掛けるのであれば、日足レベルで3回ほど上を試しても上抜けない動きなどがくればショートを検討してもいいのかなと思いますが、そうでなければまだロングを軸に戦った方がいいでしょう。

もしここから落としてくる場合、どの価格水準が意識されるのか。
それは主に以下3つあります。

・赤ライン(106.085)
赤ラインから緑ラインはゾーンとして捉えてもらってよいです。
赤ラインは先週から引いてあった「意識されやすい節目」であり、この価格水準から反発する可能性もあります。

・緑ライン(105.847)
緑ラインは「より強く意識された節目」であり、ここの価格水準を下抜ける動きがくるならショートを検討してもよい水準となります。

・紫ライン(105.426)
紫ラインは「3つのラインのなかで最も強い節目」となる価格水準です。
ここまで落ちてくることはないかもしれませんが、一応紹介しておきます。

※ラインの価格はあくまでも目安です。記した価格ピッタリではなく、この価格近辺と捉えるようにしましょう。

来週は主にこの3つの節目で戦っていければなと思いますが、仮にもしブルーゾーンを上抜いて上昇していった場合、その時の値動き次第にはなりますが、基本的には先ほど月足の分析で話したように、月足レベルの上値の重い水準まで引き付けてショートチャンスを狙うと思います。

4時間足

※見やすくするため描画を一部消しています。

今はチャネルの上限とブルーゾーンが重なっておりテクニカル的には絶好の売り場なんですよね。
月曜の東京タイム始まりで上値の重い動きを作れば短期ショートを狙えそうな気もします。

オレンジ枠に注目してください。
チャネル上限にアタックしている値動きになりますが、過去の2つに比べて現在の値動きは乱高下させていることが確認できます。つまり短期的には上昇圧力を低下させた動きをしているということです。まぁとはいえ、上へ行こうとする動きも強いので判断が難しいところではありますが、少なくとも過去と比べると弱まっていることは間違いありません。

月曜日に特に大きな窓開けもなく、東京タイムの午前に上値の重い動きを作ってくるなら、ショートチャンスもあるのかなとは思います。ただし、以前から何度か話しているように、チャネルラインを上抜いてくるような動きが来た場合はかなり上昇圧力が強いので要注意です。

4時間足

下手にショートを狙っていくよりは、ロングを軸に戦っていく方が今の相場は手堅いとも言えます。

落としてきたときの狙い目としては赤ライン〜緑ラインでしょう。
この辺りの価格水準は一度反発させる可能性が高いです。

チャネルを下抜いてくるなら、そこからダブルトップなどを形成させて下落に転じる可能性もありまますが、これだけ上昇圧力が強い相場なので、もしショートを仕掛けていくのであれば、しっかりと緑ラインを下抜いてくるのを確認してからがいいと思います。

週足レベルでも強い上昇圧力の動きを作っているため、下落は限定的となってレンジ相場へ展開、もしくは続伸させてくる可能性もあることは頭に入れておきましょう。

まとめ

以前トレード戦略で「中期的な上昇トレンドを形成してくる可能性があり、最低でもブルーゾーンまで、最大でレッドゾーンあたりまでの上昇は可能性がある」と話しましたが、想定していたより早かったもののブルーゾーンまで到達させてきました。
その要因としては、以前から話しているように「これまでにないほどの大きなポジションの偏り」に加えて、景気回復の期待からくる「米長期金利の高騰」が重なったことにより、更にドル円の上昇を加速させていったという背景があるのかなと思います。

ただし、今週のパウエルFRB議長の発言では、「景気の先行きは依然、不透明だとして金融緩和を維持する」という姿勢を表明していることからも、ドル円の上昇は最大でもレッドゾーンあたりまでかなとは予測しています。

また今週はバイデン政権が提案していた1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策法案が下院で可決しました。上院では法案が一部修正される可能性もありますが、3月14日までに可決する見通しとなっています。このニュースを受けて来週は窓開けからスタートして更に上昇相場を形成、となるかは分かりません(もう既に織り込まれていそう)。

ただ一つ思うことは、今の相場というのは、市場による「景気回復の期待」から作られた楽観相場のようにも感じます。
そして最も注意すべきなのは、そのような「楽観ムードで形成された相場というのは、そこに悲観が生まれた時、雪崩のように崩れていく」ことが多いので、一応頭の隅に入れておいてもよいでしょう。

・赤ライン(106.085)は「意識されやすい節目」である。
・緑ライン(105.847)は「より強く意識された節目」であり下抜ぬいてくならショートを検討
・紫ライン(105.426)は「3つのラインのなかで最も強い節目」である。

■意識ゾーンの数値
・レッドゾーン(113.635 – 114.581)
・ブルーゾーン(112.161 – 112.695)
・イエローゾーン(110.758 – 111.326)
・ブルーゾーン(109.327 – 109.569)
・レッドゾーン(107.577 – 108.216)
・ブルーゾーン(106.480 – 106.746)
・イエローゾーン(104.579 – 105.266)
・ブルーゾーン(102.468 – 103.014)
・レッドゾーン(100.085 – 101.296)

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