トレード戦略
1時間足
今週ドル円は大きな下落相場を展開させました。
前回のトレード戦略では「火曜日(6日)までに赤ゾーンを上抜けない動きが来るなら下落する可能性が高まる」と話しましたが、実際は1日早く下落させてきました。しかし、翌日6日には戻す値動きを作った後に本格的な下落相場を展開(白矢印)。
この辺りの押し目は非常に大きなショートチャンスだったと思われます。
最終的には黄色トレンドラインで大きく反発(赤矢印)。
前回のトレード戦略では「黄色ゾーンと黄色トレンドラインが重なるところでトレンド転換する可能性がある」と話しましたが、黄色ゾーンは下抜けてしまいましたが、トレンドラインで反転させました。
実際に黄色ゾーンに来たとき、下落する値動きが強かったため注意喚起としてツイッターでは以下のように呟いています。
108.960は赤ラインになりますが、実際にちょうどその辺りまで落としてきました。
当たり前ですが、必ずしもトレード戦略通りとはいかず、最後はやっぱりその時の値動きで判断しなくてはいけないなぁと、改めて再認識しました。
さて来週はどのような動きになるのか、週足から見ていきましょう。
週足
1ヶ月以上続いた上昇トレンドでしたが、ついに週足ベースで大きな陰線を確定させましたね(白矢印)。
個人的に好きな形でもある「陰のカラカサ」のようなローソク足を形成。
実体も大きく残しており上値は相当重い印象ではあります。
まだこれだけでは分かりませんが、来週足が非常に注目するところです。
高値を切り上げてくるのか?実体はどれほど残してくるのか?下ひげの長さは?‥などなど、次の足で色々と見えてくる部分がありそうです。
まずは週足ベースで上値の重い展開を作ったということで、次は日足を見ていきます。
日足
意識ゾーンを表示させました。
前回のトレード戦略では「わずかな調整相場でブルーゾーンを上抜いていったので、また戻してくる可能性は十分ある」と話したように、やはり今の調整時間では続伸する事ができずブルーゾーンまで戻してきました。
ここからの値動きですが、おそらく黄色枠内でレンジ相場になる可能性が高いと思います。
その際に観察しておきたいのが、高値を切り上げてくるか見ておきましょう。
前回のトレード戦略でも話したように、月足ではかなり強いプライスアクションを作っていますが、もし高値を切り下げてくるような動きを作ってきた場合、これ以上の上昇継続は難しい可能性が出てきます。つまり、月足レベルの強いプライスアクションを否定してくる可能性が高まっていることを示唆するため、この辺りは注意深く見ていきたいところです。
もしそうなった場合は、この価格水準(110円台)が「天井」となる可能性も高まるでしょう。
ただし、これだけの上昇圧力。たった一回だけの値動きで判断するのは危険です。
一度高値を更新させた後に戻す動きを作ったり、その逆もあると思うので、できるなら十分時間をかけて判断していきたいところです。
また、これはまだ分かりませんが、もしこの先1ヶ月くらいに渡ってレンジ相場を形成した場合は、大きな下落相場を作ってくる可能性もあると思います。
4時間足
※意識ゾーンは非表示にしています。
※今週作った相場環境に合わせて緑ゾーンの値を修正しました(109.817 – 109.963)。
※今週作った相場環境に合わせて黄色ゾーンの値を修正しました(108.865 – 109.095)。
黄色トレンドラインより大きく反発しましたね。
現在は緑ゾーンで反発する値動きを作っていますが、おそらく上抜けていくのかなと思います。
もう一度落としてダブルボトムのようなチャートパターンを作ってから上昇してくるか、もしくはこのままじわじわ上昇していき緑ゾーンを上抜けてくるか。このどちらかになる可能性が比較的高そうにも見えます。
もし黄色ゾーンを下抜いてきた場合は、個人的には想定外な値動きなので様子見とします。
もしそうなった場合、想定していたレンジ相場が広くなるだけで、より高値(111円台)を更新するのが難しくなる可能性が高まるんじゃないかなと思います。
1時間足
反発する値動きが強いため、思ったほど落としてこない可能性もありますが、もしここから落としてきた場合は青点線(109.397 – 109.304)あたりで反発して上昇転換する可能性もあると思います。
ここからすぐに上昇する値動きを作った場合は、安値を切り上げていってアセンディングトライアングルのようなチャートパターンを形成して上抜けていく可能性が高まりそうです。というか、そのような値動きを作ってもらわないとちょっと仕掛けにくいですね。
アセンディングトライアングルのような値動きを作ってきた場合、ロンドン市場始まりの時間帯に合わせて緑ゾーンをブレイクすることも多いので、もし近い値動きがきた場合は注意しておくと良いと思います。
緑ゾーンを抜けてきた場合は、一旦は赤点線(110.396 – 110.514)あたりで上げ止まる可能性もあると思うので引いておいても良いと思います。最終的には赤ゾーンあたりまで上昇してきてもおかしくはないとは思いますが、この高値付近で強く反発する値動きなどを作ってくれば、またここから下げてくる可能性もあるとは思います。
まとめ
今週は大きな下落相場となりましたが、ここからはまた上昇する展開を作ってくる可能性があると予測します。とはいえ、週足でも見た通り上値の重い価格水準でもあるため、ややレンジ相場になっていきそうな感じでもありますね。
前回のトレード戦略では「月足では非常に強いプライスアクションを作っているため、今月足は陽線になる可能性が高い」と話しましたが、もしかすると、ここからは上値の重い展開を作って本格的な下落に転じる可能性もあるかもしれないと思い始めたので、その辺りを少し共有しておこうと思います。
ドル円はこれまで大きく続伸してきました。
その要因としては、以前から話しているポジションの偏りと、景気回復の期待からくる金利上昇による影響が強いと思われます。つまり、トレード戦略でも話していますが、今の相場は「楽観相場」とも言えます。
新型コロナワクチンの普及、バイデン政権の大規模な追加経済対策、経済指標でも力強い数値を付ける好調な米国経済などを受けて、ドル円は大きく続伸してきたわけですが、4月に入って少し変化が見られてきました。
それは米長期金利が低下に転じてきていること、そして直近では重要な経済指標である「ISM製造業景気指数」や「ISM非製造業景気指数」「雇用統計」などの発表がありましたが、どれも市場予想を上回る力強い結果となったにも関わらず市場は無反応でした。つまり、もう市場ではこれらの材料は当たり前となってきており、逆を言えば「材料の出尽くし」ともなってきている印象です。
そんな中で世界レベルでは再び新型コロナウイルス感染拡大の傾向がみられているため、米国経済だけがこのまま好調となるよりは、どちらかと言えばこれから鈍化していく可能性の方が高いのかなと思われます。
これからトレーダーとしての観察するべき視点は、ここから高値を切り上げて111円台へ続伸するのか、それとも抑えられるのか、この辺りには注目しておいても良いのかなと思います。
月足レベルでは強いプライスアクションを作っているため、111円台に突破する動きを作ってくる可能性も高いですが、それが一過性の値動きになる可能性もあるため、ここからはじっくり時間をかけて判断していきたいところです。
以前にも話しましたが、「楽観ムードで形成された相場というのは、そこに悲観が生まれたとき、雪崩のように崩れていく」ことが多いので、一応警戒しておいた方が良いと思います。