トレード戦略
前回のトレード戦略の振り返り
4時間足
前回のトレード戦略では「ここからは主に2つの動きが考えられる」と話しました。
それが「レンジ形成後に下落に転じるか」もしくは「もうひと伸びしてから下落に転じるか」です。
そしてそれぞれの動きに応じて以下のような動きが来る可能性があると話しています。
■レンジ形成後に下落に転じた場合
仮で引いた各緑ゾーンで上昇に転じる動きが来る可能性がある。
■もうひと伸びしてくる動きが来た場合
赤ライン(106.085)あたりが強い節目なので強く反発される可能性がある。
前回のトレード戦略で「優位性の無い逆三尊はネックラインまで戻すことが多い」と話したように、やはりそのような動きが来て、結果的には予測した2つの動きが来ることになりました。
この仕掛ける水準の値動きをよく分析すると、とても勉強になるんじゃないかと思うので一応紹介しておきました。
それでは来週のトレード戦略を始めましょう。
来週のトレード戦略
週足
今週は大きく上昇する動きを見せたものの、強い節目(赤ライン)で反発され、長い上ひげを付けて最終的には先週足の実体にも若干切り揃えて陽線を確定させました(白矢印)。
当然これほどの強い節目ではあるため、一発で超えることは難しいですが、この長い上ひげを見る限り、ここからすぐに超えていくのは少々難しい印象です。
意識ゾーン近辺は乱高下相場になりやすい特徴がありますが、特にこのイエローゾーンはその傾向が強いため、しばらくはイエローゾーン近辺で方向感のない相場を作ってくる可能性があるということを考慮しておきましょう。
特にイエローゾーンの中でも強い節目として意識されやすいのが黄色ライン(104.691)付近です。
この価格水準に来たときは値動きに注目するとよいでしょう。
日足
今はこのチャネルラインが強く意識されているようにも見えます。
前々回くらいのトレード戦略では、「チャネルラインを下抜けてくる可能性がある」と話しましたが、想定以上に強く推移しています。
しかし、今週はチャネルラインの上限を3度目となる反発する動きも作っており、上値の重い展開を見せています。
基本的にこのような値動きでは赤ラインのような強い節目を超えるのは難しい傾向があるため、上昇してくるようなら短期的なショートを狙ってみるのは優位性が高いと判断します。
4時間足
4時間足レベルでも上値の重い展開を作っています。
ただし、このまま真っ直ぐに下落してきた場合、緑ゾーン(104.837 – 104.940)〜黄色ライン(104.691)を一発で下抜いていくのは難しい印象ではあるので、この辺りの価格水準は短期的なロングは優位性が高いと思います。
基本的には大きくレンジ相場になると予測していますので、引きつけて買う・売るに徹したいところですね。
ただし、もし黄色ライン(104.691)を下抜いていった場合はやや注意した方がいいでしょう。
当然そのすぐ下には緑ゾーン(104.105 – 104.409)もあるので支えられる可能性もありますが、一旦様子を見てもいいかなと思います。
まとめ
今週ドル円は金利の上昇を受けて円安に進行しました。
その背景はワクチン普及による感染者の減少期待、そしてバイデン新政権による追加経済対策によって景気回復の期待が強まったことも大きいでしょう。
バイデン大統領は1兆9000億ドル規模の経済対策の案を示しており、満額にはならずとも1兆ドル超えの規模で成立する可能性は高いとみられています。そのような背景からみてもドル円は底堅い動きとなるんじゃないでしょうか。
ただし、ここからすぐに上昇は厳しい印象でもあり、しばらくは赤ライン(106.085)付近が天井となる可能性もあります。
今回の円安進行は金利上昇の影響が強いですが、1月のFOMC後の記者会見でもパウエル議長は「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」と慎重な姿勢を示していたり、急ピッチな金利上昇による市場の警戒感の高まりなど、さらなる金利上昇余地は限定的だと思います。
とはいえ、強い相場なことには間違いありません。
安易にショートを仕掛けるよりは、しっかり引き付けて短期的なロングを軸に仕掛けていった方が優位性は高いと判断しています。
本格的なドル円の上昇はテーパリング開始(量的緩和の縮小)の期待が高まりはじめたらでしょうか。
そういった意味では、来週の23(火),24(水)は米FOMC会合なので、パウエル議長の発言には注目したいところです。