トレード戦略
ドル円・月足チャート – 下落優位性の高まり
ドル円は直近3本の陽線(8~10月)を、わずか2本の陰線で打ち消すほど下落圧力が増している印象です。
これまで約2年ほど続いた上昇トレンドですが、明らかに今までに見られなかった力強い反発。いよいよ上昇トレンドが終焉に近づいているサインとして捉えることもできます。
ただし下落スピードが早い場合、その分反発する力も強い傾向にあります。
緑ゾーン(128.674-130.421)・紫ゾーン(126.191-127.198)は共に力強く買い上がった価格帯であるため、強いサポートとして機能する可能性が高く、ここから再度上昇していく可能性もあるでしょう。
特に今回は下落スピードが早いだけに大きく反発する可能性もあります。
つまり長期的には下落ですが、短期的には上昇を警戒しておいてもよいのかと思います。
ちなみに年足で見ると長い上髭の陽線を付けており、まだ上昇余力があるようにも見えるんですよね。
ドル円・週足チャート – 反発する力
月足では下落圧力が強まっていることは分かりましたが、しかし週足で下落する値動きの過程を見ると、次第に反発する値幅が強まり、陽線の数も増えていることが分かります。
このような値動きになってくると緑ゾーン・紫ゾーンを下抜いていくのはやや難しい傾向にあります。
つまりここからは一旦下落が止まり、レンジもしくは戻す値動きを作ってくる可能性があると警戒しておくべきでしょう。
ドル円・日足チャート – 開いて落ちていく値動きの傾向
現在のドル円の下落パターンは、チャネル型というよりも上下に少し開くような落とし方をした値動きを作っています(チャート図の黄ライン参照)。
このような値動きを形成してきた場合、強い抵抗帯を超えることができずに一旦上抜ける値動きを作ってくることがよくあります。ただし上値も断続的に重いため、結果的に乱高下相場に展開する可能性もありそうです。
直近のレジスタンスとしては黄ゾーン(135.985-136.469)、赤ゾーン(137.708-138.317)あたりを目安に意識してトレードしてもよさそうです。
ここからまた140円台まで上がってくる可能性は十分にあるとは思っているんですけどねぇ…。
ドル円・4時間足チャート – 短期的な上昇には期待
とても短期的なお話ですが、黄ゾーンからの反発は比較的期待できると思います。
そこから継続して上昇できるかは反発後の値動き次第ですが、ある程度力を溜めることができて上昇後に134.790あたりを上抜いていけたらグッと伸びていく期待もできるかなと。
なぜなら現在の位置するところは逆三尊の右肩部分になり、134.790付近は逆三尊のネックラインになります。型はキレイではないものの、この右肩部分で三角持ち合いなど形成して上昇転換できれば少しは期待できそうです。
ただし上値は断続的に重いので警戒は怠らず…ですね。
来週の価格推移の見通し
赤ゾーンと青ゾーンの2つの範囲に分けて価格推移を予測します。
赤ゾーン:127.108-135.598
青ゾーン:135.598-142.566
まとめ
今年最も注目しておきたいのは日銀総裁人事でしょうか。
日本銀行の歴史の中で最長の在任期間となった黒田東彦総裁は今年の4月8日で任期満了となるため、新総裁に注目しています。
これまで黒田総裁のもとで10年近く続いた金融緩和策は2%の物価安定目標が実現できず、限界も意識されています。
新総裁による「マイナス金利の解除」「金融政策の正常化」というサプライズも可能性として高いため、マーケットは大きく変わる可能性もあり市場は注目しています。
直近の話でいえばドル円は一気に落としすぎた印象もあり、一旦は戻す動きを警戒しておくべきでしょう。もしかすると春頃(日銀総裁人事)までは127円〜150円あたりを推移する可能性もあるのかなと。
今週は1月12日(木)に米消費者物価指数の指標発表がありますが、大きな値動きを作ってくる可能性があるため警戒しておきましょう。
それでは本年もよろしくお願いします。