トレード戦略
1時間足
前回のトレード戦略では「週明けから(黄色枠)ほとんど値動きを作らずに上昇していった場合は緑ゾーンで大きく反発する可能性がある」と話しましたが、実際に今週はほとんど値動きを作らずに上昇していき、緑ゾーンをタッチとまではいかなかったものの大きく反発する動きを作りました。
そして抵抗の強い黄色ゾーンでは節目となる赤点線で反発。
最終的には雇用統計の結果が大幅に悪化したことにより黄色ゾーンを下抜く動きとなりました。
今回の一番の仕掛けポイントは赤点線からの逆張りロングだったかなと思います。
このような強い抵抗帯は一発で超えることが難しいため、ここからのロング仕掛けは優位性が高いです。緑ゾーンの位置はもう少し甘めに設定して下の方にすればよかったですね。
来週はどのような動きを作ってくるのか、週足から見ていきましょう。
週足
今週は陰線を確定(白矢印)。
先週足は比較的大きな陽線を形成したものの、今週はその動きを強く否定した形となりました。
この動きによって下落優位性が高まってきているといえるでしょう。
また、これまでの力強い上昇トレンド中ではほとんど調整相場を作ってこなかったため、その反動から速いスピードで下落展開させてくることもあるので注意したいところです。
特に直近の陽線(赤矢印)を下抜いてきたときは少し警戒しておいても良いかもしれません。
個人的にはできればここからもう少し値動きを作っていってもらいたいところです。
日足を見てみます。
日足
意識ゾーンを表示させました。
高値を切り下げ、綺麗にブルーゾーンに抑えられる形となりました。
これにより上値は相当重い印象で、再びイエローゾーンを目指す可能性が高まっています。
ただ、少し気になるのは全体的に値動きが弱いんですよね。
日足で見る限りではどれもローソク足が小さく決定的な動きは見られません。そのような動きが見られるまでは、ここからはダラダラと下げるか、もしくはまた上昇させてレンジ相場が続く可能性も疑っておきたいところです。
ではどのような動きを見ておけばいいのか?
一番分かりやすいのは「大陰線」です。
これまでのレンジ相場の中で、急激にボラを拡大させた大陰線を形成させれば、それがサインとなる時があります。
それでは4時間足を見ていきましょう。
4時間足
※前回まで引いていた2本の赤点線は削除しました。
強い抵抗帯である黄色ゾーンを下抜いてきました(白矢印)。
この動きにより、またすぐに再び上昇して黄色ゾーンを上抜いていくのは少々難しくなってきた印象です。少なくともある程度の時間調整は必要なのかなと。
つまり現時点では黄色ゾーンを背にしてショートを仕掛けた方が優位性は高いのかなと判断します。
ただし、白ゾーン付近でまた反発される可能性もあるため、その辺りは考慮しておきましょう。
大きな値幅を狙うようなトレードはまだしない方が良いのかなと思います。
もし再び上昇してきた場合、ロンドン市場でもニューヨーク市場でも黄色ゾーンを上抜けることができずに天井を固める動きを作ってきた場合は、一段大きく下げる動きを作ってくる可能性もありそうです。
どちらにしてもある程度の時間調整が欲しいところですね。
1時間足を見てみましょう。
1時間足
ショートを軸に考えるなら、やはり黄色ゾーンまで上がってきた時でしょう。
おそらく一発で上抜くのは難しいと思われます。
ただし、ショート仕掛けるにしても短期が良いと思います。
値動きにもよりますが、大陰線を形成後(白矢印)は一度も安値を切り下げていないため、少々トレーダーを困惑させる動きを作ってくる可能性もあるからです。短期でさくっと数pips〜十数pips取るくらいの気持ちでやった方がいいのかなと思います。
白ゾーンでも反発される可能性はありますが、ここでのロングは少々難易度が高いかもしれません。なるべく時間をかけて値動きを見て、優位性があると判断できた時だけロングを検討しても良いのかなとは思います。
白ゾーンを下抜けた時は様子見がいいと思います。
しっかりレンジ相場を形成して続落する動きを作るならショートを検討しますが、それまでの値動きの過程も重要になってくるので、全てここで解説するのが難しいため、ここでは様子見とします。
また、ここから黄色ゾーンを2,3回とアタックしてくるなら再び上抜けていく可能性が高まるので警戒しておいてもよいと思います。まだその可能性も十分にあります。
まとめ
前回のトレード戦略でも話しましたが、注目していた重要経済指標である米・ISM製造業景気指数、米・ADP雇用者数、米・ISM非製造業景気指数の全てが冴えない結果となり上値の重い展開。そして米・雇用統計では市場予想を大きく下回る結果となりました。
この影響によりパウエルFRB議長の発言通り「緩和の段階的縮小の議論開始は時期尚早」という見方が強まりドル円は大幅に下落していき上値の重い展開を作りました。
ただし、米経済は依然として強いことや、求人労働異動調査によれば求人数が増えてきているのは明らかなので、今後ワクチン普及が追い風となって徐々に正常化していく可能性があります。つまり、市場参加者はたった一回の雇用統計の結果だけで深刻に受け止めていない可能性があるため、今後のドル円の方向性としてはもう少し様子をみるべきかなと思います。
来週は5/12に米・消費者物価指数、5/13に米・新規失業保険申請件数、5/14に米・小売売上高が控えているので、引き続き重要経済指標には注目しておきたいところです。
値動き的には上値の重い印象ですが、全体的な値動きを見た感じではまだレンジ相場が続く可能性もあります。来週の月曜日は雇用統計後に各市場がどのような反応をするのかしっかり観察しておきましょう。