トレード戦略
1時間足
前回のトレード戦略では「上昇優位性があるため、黄色点線をしっかり上抜いていけばロングを検討する。黄色点線を下抜けば戻ってくるまでは無視」というような話をしましたが、結果的には黄色点線を上抜けず失速。乱高下相場の展開となりました。
非常に分かりにくい相場だったので基本は無視でいいと思いますが、もしトレードするのであれば黄色ゾーンからのロング仕掛けは優位性が高かったのかなと思います。
左底で底固めさせて、右底を切り上げたダブルボトムのようなチャートパターンは短期的なロングは狙えたかもしれません。
優位性のあるダブルボトムに関しては動画でも解説していますのでご参照ください。
そして黄色ゾーンを下抜くものの、FOMCの議事要旨で市場参加者に金融緩和縮小開始の前倒しを意識させたことにより再度大きく上昇していきます。この上昇により相場環境が大きく崩れた印象です。
非常に予測がしにくいですね。
来週はどのような動きを作ってくるのか、週足から見ていきましょう。
週足
週足で分かる全体のパワーバランスを確認してみましょう。
まず、現在は110円台から3つの陰線を作って落としてきたローソク足にインサイドしています。しかしその中では大陽線を形成しており、更にインサイドしている状況です。
これから分かることは、短期的には上昇優位性がありますが、全体的には上値の重い印象です。
そしてその2つ重なる価格水準を下抜けると下落優位性がかなり高まる可能性がありそうです。
まだしばらくはこの間で推移していきそうな感じではありますが、全体的なパワーバランスは認識しておくと良いかもしれません。
日足を見てみます。
日足
意識ゾーンを表示させました。
全体的には上値が重いですが、まだ短期的には上昇する力が強い印象。しかしこれまで意識ゾーンに2度反発されているため、次に上昇を試みて失敗した場合、いよいよ下落優位性が高まる可能性もありそうです。
また直近の大陽線(赤矢印)の安値となる価格水準を下抜いてきても下落優位性が高まるかなと思われますが、前回にも申し上げたように、全体的な値動きを見る限りまだ方向感のない相場が続くように見えます。
それでは4時間足を見ていきましょう。
4時間足
前回まで引いていた赤ゾーンと黄色ゾーンを再度調整しました。
赤ゾーンは110.540〜110.756、黄色ゾーンは109.075〜109.305となります。
まず、来週はこの黄色ゾーンを一つの基準として見てもいいかもしれません。
黄色ゾーンは強いレジサポとして機能しやすい価格水準として見ます。つまり黄色ゾーンを上抜ければ上昇優位性が高まり(短期的な可能性がある)、黄色ゾーンより下を推移するうちはショートを軸に戦っていくイメージです。
1時間足
基本的には黄色ゾーンを背にしてショートを軸に戦っていきたいところですが、底堅いところでもあるため短期トレードに絞った方が良いでしょう。
また、底固めるような値動きを作ってきた場合は注意した方がよいです。
一発で黄色ゾーンを上抜くことはできないと思いますが、それでも反発が限定的となって上昇していく可能性もあるのかなと。
赤ラインはロンドン市場より下抜いてきた場合、短期的にはショートの優位性が高いと思います。
ただできればその前に東京市場で一度試してもらっていると尚良いです。
もし黄色ゾーンを上抜いていった場合は、その黄色ゾーンからの押し目ロングが優位性が高いと思います。
まとめ
今週のFOMC議事録では「資産購入ペースの調整に関する議論を始めるのが適切(テーパリング)」と示唆されたことによりドル円が大きく上昇して日足でも大陽線を形成。しかし続伸とはいかずにじわじわとまた下げてきている動きから見ても上値が重い印象です。
今後は更に市場参加者の注目はテーパリングの開始時期が高まりそうですが、雇用情勢はまだ充分と言える改善は確認できないことや、前回のトレード戦略でも話しましたが、クラリダFRB副議長らが「当面は金融緩和政策を維持」と発言していることからも、テーパリングに向けた議論を開始する時期はまだ先になる可能性があります。
こうした中で来週注目したい経済指標は5/28の米・PCEデフレーターです。
強い結果となればテーパリングが意識された動きとなる可能性もあります。
値動き的にはまだなんとも言えない…という感じになってしまいますが、全体的には上値が重く、時期は分かりませんが、一度は大きく102円台〜104円台あたりまで下げる動きを作ってきてもおかしくはないと思っています。
現時点では下落効率はさほど良いとは言えない値動きではありますが、直近の日足の大陽線後の下落する動きを見る限り、現時点では大局的な目線は下として見ています。
まだ市場に大きな迷いがあることから、しばらくは相場環境がコロコロと変化する可能性もあるため、「トレーダーの思い込み」によって損失を招く可能性の高い相場になりそうなので、十分注意してトレードしていくべきだと思います。