FXにはたくさんの通貨ペアがあるのため、初めてFXをやる時にどれを選べばいいのか迷う人も多くいます。
こちらの記事ではFX初心者に向けて、「通貨ペアの選び方」「オススメ通貨ペア」「通貨ペアの仕組み」まで詳しく解説しています。
通貨ペアとは?
FXでは取引を行う2ヵ国の通貨の組み合わせを通貨ペアと呼びます。
通貨ペアは日本語では「米ドル/円」、アルファベット3文字の通貨コードで「USD/JPY」などと表記されます。
日本語表記 | 通貨コード表記 |
---|---|
米ドル/円 | USD/JPY |
ユーロ/米ドル | EUR/USD |
英ポンド/米ドル | GBP/USD |
ユーロ/円 | EUR/JPY |
豪ドル/円 | AUD/JPY |
米ドル/カナダドル | USD/CAD |
主軸通貨と決済通貨
「米ドル/円」など通貨ペア表記の中央にある「/」より左にある通貨を主軸通貨(取引通貨)、右にある通貨を決済通貨と呼びます。
主軸通過と決済通貨にはそれぞれ役割があります。
例えば米ドル/円(USD/JPY)の現在のレートが130だとしたら、米ドル(USD)を1単位を買うためには130円(JPY)が必要になります。主軸通貨の米ドル(USD)が上昇すると予想するなら米ドル(USD)を買い、米ドル(USD)が下落する(決済通貨が上昇する)と予想するなら米ドル(USD)を売りにします。取引後の損益はすべて円(JPY)で発生します。
ストレート通貨とクロス通貨
FXでは「ストレート通貨」「クロス通貨」という2種類の通貨ペアに分類されます。
ストレート通貨
「ストレート通貨」とは、米ドルが含まれている通貨ペアを指しており、「ドルストレート通貨」とも呼ばれています。
米ドルはインターバンク市場で直接取引されているため「ストレート」とも呼ばれます。
世界の基軸通貨である米ドルを中心に取引が行われているため、取引量、流通量ともに世界一とされているため、値動きも比較的安定しています。
- 米ドル/円(USD/JPY)
- ユーロ/米ドル(EUR/USD)
- 英ポンド/米ドル(GBP/USD)
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
- NZドル/米ドル(NZD/USD)
インターバンク市場とは?
仲介業者、専用の端末、ネット、電話などを通して銀行間で行う為替取引の場をインターバンク市場と呼びます。取引に参加できるのは金融機関に限られています。外国為替取引のレートは、インターバンク市場の為替レートが基準となって決められており、FX会社もインターバンク市場のレートを基準にしています。
FX初心者はまず値動きが比較的安定している「ストレート通貨」からやるといいぞ。
クロス通貨
「クロス通貨」とは、米ドルが含まれない通貨ペアのことを指します。
円が含まれている通貨ペアは「クロス円」と呼ばれます。ただし「米ドル/円」は米ドルが含まれているので「ドルストレート」になります。
ストレート通貨との違いは、米ドルを介して取引が行われている点です。
例えば、英ポンド/円の場合、英ポンドと円を直接取引するのではなく「円を売って米ドルを買い、米ドルを売って英ポンドを買う」という、米ドルを介して(クロスして)取引が行われています。この2つの取引がクロスするので「クロス通貨」と呼ばれます。
クロス通貨は、実際には米ドルを含んだ3通貨が絡んで取引されているから値動きも難しいんだ。だからFX初心者にはあまりおすすめできないな。
メジャー通貨とマイナー通貨
FXでは通貨ごとの取引量や流動性の違いによってメジャー通貨、マイナー通貨と分けて呼ばれることもあります。
それぞれ以下のように分類されます。
通貨ペア | 特徴 | |
---|---|---|
メジャー通貨 | 米ドル(USD)・ユーロ(EUR)・円(JPY)・英ポンド(GBP)・スイスフラン(CHF)・豪ドル(AUD)・カナダドル(CAD)・ニュージーランドドル(NZD) | ・1日あたりの取引量が多いため流動性が高くなり、結果としてスプレッドが狭くなる傾向がある。 ・マイナー通貨に比べて値動きも安定しているため、トレードする上でテクニカルが効きやすい。 |
マイナー通貨 | トルコリラ(TRY)・南アフリカランド(ZAR)・メキシコペソ(MXN)・ブラジルレアル(BRL)・ロシアルーブル(RUB)・中国人民元(CNH)など | ・1日あたりの取引量が少ないため流動性が低くなり、結果としてスプレッドが広がり取引コストが高くなる傾向がある。 ・メジャー通貨に比べてボラティリティー(値動きの変動率)が高いため、大きな利益を得られる可能性もあるが、その分リスクも高い。 |
取引量の多い通貨ペアランキング
世界中で取引されている外国為替市場ですが、この巨大なマーケットで最も取引量の多い通貨ペアのトップ10を紹介します。
ランキング | 通貨ペア | シェア率 |
---|---|---|
1位 | ユーロ/米ドル(UER/USD) | 22.7% |
2位 | 米ドル/円(USD/JPY) | 13.5% |
3位 | 英ポンド/米ドル(GBP/USD) | 9.5% |
4位 | 米ドル/人民元(USD/CNY) | 6.6% |
5位 | 米ドル/カナダドル(USD/CAD) | 5.5% |
6位 | 豪ドル/米ドル(AUD/USD) | 5.1% |
7位 | 米ドル/スイスフラン(USD/CHF) | 3.9% |
8位 | 米ドル/香港ドル(USD/HKD) | 2.4% |
9位 | 米ドル/シンガポールドル(USD/SGD) | 2.3% |
10位 | 米ドル/韓国ウォン(USD/KRW) | 1.7% |
すごい!すべてのランキングに米ドルが入ってる!!
米ドルは世界の基軸通貨だからな。だからFX初心者にはドルストレートをおすすめしてるんだ。
FX初心者にオススメの通貨ペア
FX口座を開設して取引しようと思ったとき、次に悩むのが通貨ペアの選び方です。
通貨ペアはたくさんの種類があり、それぞれ特徴も大きく異なるため、間違った選択をしてしまうと利益を得るのが難しくなることもあります。
そこでFX初心者が最初に選ぶ通貨ペアとして、最も重要視しておきたい点が以下の3項目になります。
①取引量・流動性の多い通貨ペア
②スプレッドが狭い通貨ペア
③情報量の多い通貨ペア
①取引量・流動性の多い通貨ペア
3項目の中で最も重要とも言えるのが「取引量・流動性」です。
取引量・流動性が多い通貨ペアは比較的安定した値動きをするため、まずはそこからトレードを慣らしましょう。結果それが安定した利益を得るための近道にもなります。
また取引量が多いということはテクニカルも効きやすいため、相場分析などもしやすい傾向にあります。
取引量が低い通貨ペアは値動きが激しい傾向があり予測もしづらい。最初にトレードする通貨ペアとしてはオススメしないぞ。
②スプレッドが狭い通貨ペア
スプレッドはトレードする際に必ず取られる手数料です。
スプレッドの広さは通貨ペアによっても大きく違いがあり、最初は必ず狭いスプレッドの通貨ペアを選択しましょう。
スプレッドも取引量・流動性の多い通貨ペアの方が狭い傾向にあるんだ。
③情報量の多い通貨ペア
通貨のレートは日々のニュースや経済指標によっても大きく動きます。
全く親しみのない通貨ペアで取引しても、その国で何が起こっているのか分からなければリスク回避も出来ません。
まずは多くの情報が得られやすい通貨ペアからトレードしていきましょう。
俺たち日本人は親しみのある”円”が一番情報を得られやすいだろう。
オススメ通貨ペア2選
上の3つの項目を基準にして、FX初心者に最もオススメできる通貨ペアを厳選して絞りました。
FX取引を行う際に、オススメ通貨ペアは以下の2つです。
1. 米ドル/円(USD/JPY)🇺🇸🇯🇵
「取引量・流動性の多さ」「スプレッドの狭さ」「情報量の多さ」どれを取ってもバランス良く優れているのが米ドル/円です。
取引量の多さだけ取るならユーロ/米ドルですが、円は日本人にも親しみやすいため情報量は圧倒的に多く、どのFX会社でも米ドル/円のスプレッドが一番狭い傾向にあります。
当ブログでも週に一度くらいの頻度で米ドル/円のトレード戦略を配信しているため、最初にトレードする通貨ペアとしてオススメしています。
※以下は週に一度配信しているトレード戦略の参考記事
2. ユーロ/米ドル(EUR/USD)🇪🇺🇺🇸
米ドル/円の次にオススメできるのが圧倒的な取引量を誇るユーロ/米ドルになります。
取引量・流動性も多いため値動きも比較的安定しているためFX初心者にも向いている通貨ペアです。
またユーロ/米ドルはロンドン市場(16:00〜)ぐらいから取引が活発になるため、仕事から帰宅してトレードする時間帯とも相性がよいです。ただしロンドン市場からは値動きも大きく動く傾向もあるため注意が必要です。
まとめ
この記事では「通貨ペアの選び方」「オススメ通貨ペア」「通貨ペアの仕組み」について解説しました。
通貨ペアは2つの国の通貨が絡んでいるため非常に複雑なこと。そして通貨ペアによっても取引量などが大きく違うため、トレードにも影響することが分かりました。
最初の通貨ペア選びが非常に重要なので慎重に選びましょう。
- ストレート通貨は米ドルが含まれている通貨ペア
- クロス通貨は米ドルが含まれていない通貨ペア
- 初めて通貨ペアを選ぶ際には取引量・流動性の多い通貨ペアを選ぶこと
- FX初心者に最もオススメの通貨ペアは米ドル/円
まだFXに慣れてないなら最初は一つの通貨ペアに絞り、徹底的にその通貨ペアになれることから始めるんだ。いきなり色々手を出すなよ。